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僧侶は金儲けをしていいのか?

ブッダ・空海の思想に入る前に、予備知識として
今の日本人がよく持つ、仏教への疑問や勘違いを扱います。

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よくある仏教の疑問 5
 僧侶は金儲けをしていいのか?

 本来出家者は、ごく一部の例外を除いて、自分の所有物はありません。
あらゆる執着から離れることが覚りへの道なので、「所有」という執着を
生み出すことはしないわけです。
当然、金儲けもしませんし、金を貯めることもしません。

 ブッダは、出家者が働くことは禁止しました。労働をしてお金をもらうのは、
欲と執着を生み出します。もちろん在家者が、自分の仕事をしっかりやって
金を得ることに何の問題もありません。

 出家者は金を稼げないので、この世での命をつなぐのは、ただ布施に
よってのみです。何かの対価として布施をもらってはいけません。
布施とは見返りを求めない行為であり、何かの対価ではないからです。

 ブッダは、医療の心得のある僧侶に布施が集まることを、戒めています。
身体が悪くなったら直して欲しいという思いから出た金品をもらうのでは、
出家者ではなく医者の仕事と変わらなくなるからです。

 このようなブッダの姿勢は、中国、日本で変化していきます。
中国では、「働かざるもの食うべからず」などと言われました。
修行者に対する布施が充分に集まらない地域では、
布施以外の手段がなければ、僧団の維持や修行の継続ができません。

 現代でも、タイ、スリランカ、ミャンマーなど上座部仏教国では、在家者が
喜んで布施をしますが、日本では、ほとんどの人が布施をしません。
欧米人はキリスト教的感覚でしょうが、寄付という行為は一般的です。

世界に40以上あるヴィパッサナーセンターでは、10日間の瞑想合宿を
食事・宿泊場所をつけて、無料で行なっています。
運営は、すべて寄付や布施によってまかなわれていますが、
世界でも有数の裕福な国である日本のセンターの運営は、
財政的にかなり厳しいといいます。

托鉢など布施の機会を提供することは、本来は僧侶の大切な役割です。
自身が布施するとともに、布施の機会を提供することが必要です。
しかし日本では、僧侶が托鉢をしていると嫌がられたりします。※1

このような環境の違いを考慮すると、単純に僧侶が金儲けをしていいとか
悪いとかは言えないと思います。

 個人的には、普段ほとんど布施をしないで、葬儀代や戒名代として
高額のお金を払うよりは、普段から法話などを通じて仏教の教えに親しみ、
それを人生の力とし、継続的に布施をしていくというスタイルを望みます。

 そうなれば、心ある僧侶は戒名代などで生活費を得るのではなく、
法を広め、人々の生きる力となることで、この世に生かされていくことに
なると思います。


※1 四国遍路ではお接待という無料の行為が、頻繁に見られます。
四国遍路に参加された多くの方が、何の見返りも求めないお接待を受け、
その素晴らしさを感じておられます。

このことから、布施や寄付などの無償の行為が少ないことは、
日本人の問題というより、環境の影響が大きいと考えられます。

適切な環境さえ整えば、日本人も、自ら布施や寄付を行なうという心を
持っていると思われます。

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