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仏性(如来蔵) 1

大乗仏教に生まれた思想に、仏性(如来蔵)があります。
密教を説明するために、まず仏性(如来蔵)の説明をしたいと思います。

如来蔵とは、如来(仏)を胎に宿すものという意味で、如来蔵経に
「一切の衆生は如来を胎に宿している」と説かれています。

すべての人には、仏性(如来蔵)があり、そのため人々は菩提心を起こし、
悟りへ向かうことができると考えられます。
人々に悟りを得ようと発心する心が生じる理由として、そもそもそのような心
(仏性)があると考えることは、それなりに妥当性があるように思います。

しかし初期仏教では通常、このような心を前提にしませんので、
大乗仏教の革新的な考え方と言えるでしょう。

仏性の考え方は、その後次々と発展していき、初期仏教との違いは、
どんどん大きくなっていきます。
例えば、中国や日本では、草木成仏といって、草木にも仏性があり
成仏できると考えられるようになります。

また大乗仏教では仏性を強調する結果、人の心を清らかなものとして見る見方が
強くなっていきます。
もちろん人には、煩悩があり、それゆえ人は苦しむのですが、煩悩が
心の本質ではなく、仏性が心の本質であるという見方が出てきます。

初期仏教が、
「人の心は苦であり無常であるから、修行によって清らかになる」
という感じに対し、
大乗仏教は、
「もともと仏性があって清らかなのだから、それを修行によって呼び起こす」
という感じが強くなっていきます。

仏性論がさらに展開し、本覚思想になると、
「凡夫は凡夫のままありのまま現実を受け入れればいい」
という、修行不要論が生まれてきます。

本覚思想は鎌倉仏教の基となった天台宗で盛んになったもので、
鎌倉仏教にも大きな影響を与えています。

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