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2008年11月

三句の法門 2

「 菩提心を因とし、大非を根とし、方便を究竟とす 」

短い言葉なので、このまま覚えてしまえばいいと思いますが、
一応 現代語訳を書くと

仏の智慧は、
菩提心を始まりとし、大いなる慈悲を根本とし、
それらを実現する具体的な方法を究極とする。

という感じになります。

相手に合わせた具体的な方法がなければ、現実は変わらないわけで、
方便を究極とするのは、現世を重視する密教の姿勢の表れです。 

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三句の法門  3

「 菩提心を因とし、大非を根とし、方便を究竟とす 」
この三句の法門には、因位の立場と果位の立場の、二通りに解釈があります。

因位の立場
因  :悟りを得るために菩提心を起こす
根  :菩提心を起こすは、大悲の心に根ざしている
究竟 :修業の完成には、様々な方便が必要である

果位の立場
因  :悟りを得た心(菩提心)を出発点とする
根  :大悲の心が根底にあるから、衆生の救済に向かう
究竟 :様々な方便で衆生を救済する

衆生を救済してこそ、密教です。
そのためには、菩提心を起こし修行することが大切です。

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三句の法門  4

如実智自心 (にょじつちじしん)

「菩提心を因とし、大非を根とし、方便を究竟とす」
「いかんが菩提とならば、いわく、 実の如く自心を知るなり 」

菩提というのは、あるがままに自分の心を知ることだと説かれています。
これは、「如実智自心」という言葉でよく語られます。

如実とは、あるがまま、事実、真如などの意味。

自分の心をそのままに知ることこそ、菩提の心(悟りの心)であり、
それこそが覚りへの出発点になるということです。

自心を、どれだけ、うそ偽りなく、素直に、幅広く、奥深く
見ることが出来るでしょうか?

「如実智自心」は、真言密教の最重要キーワードのひとつであり、
ある意味、そこに尽きるとも言えると思います。 

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密教の特徴 ~ 象徴

象徴の活用は密教の大きな特徴です。
密教では、さまざまな法(教え)や概念を、象徴を使って表わしていきます。

象徴を使って、見えないものを見えるものにしていくわけです。

真言密教の中心となる仏は「大日如来」ですが、これは、この世界全体
(世界の本源)を「仏」として現したものです。

目には見えない「この世界を貫く本源的な法」を「大日如来」と
「仏像化」し、祈りや瞑想の対象とするのです。

「大日如来」を「阿」という文字で現せば、「阿字観」という瞑想になり、
清浄で円満な心を「月」で現せば「月輪観」という瞑想になります。

密教では、壇を荘厳し、三鈷杵、鈴、火舎、六器など数多くの法具を使って
修法します。

各法具には、それぞれ意味があります。
例えば六器は、六波羅蜜の象徴として使われます。

曼荼羅(マンダラ)は、世界を象徴的に現したものですし、
護摩の火なども、ひとつの象徴です。

密教の基本は、三密加持という瞑想です。
これらの象徴は、その瞑想をより効果的にします。

禅が何もない(無一物)の瞑想だとしたら、密教は可能なものは何でも使って、
五感をフル活用する瞑想です。

象徴は、そのためにも必要なものなのです。

※六波羅蜜の解説は メルマガ62号(2008/10/3)をご覧ください。

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曼荼羅(マンダラ)

曼荼羅は、仏教から見た世界(法界)を象徴的に現したものです。

日本では、「胎蔵曼荼羅」や「金剛界曼荼羅」が有名です。

どちらも「大日如来」を中心とした世界を描いていますが、
「胎蔵曼荼羅」は『大日経』という経典がベース、
「金剛界曼荼羅」は、『金剛頂経』という経典がベースになっています。

密教の経典は曼荼羅として現され、また、曼荼羅によって体感的に
経典を理解することができます。

密教は曼荼羅教でもあるのです。

元々曼荼羅は、灌頂などの儀式の際に用いられ、儀式の前に作成し
儀式が終わると壊してしまうものでした。

今でもチベット密教では、綺麗な砂マンダラを作り、壊していく様を
見ることができます。

綺麗なものも壊れていく、世界は無常であると観るのが仏教的だと
思いますが、雨の多い中国や日本では、現実的ではなかったようです。

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即身成仏

真言密教の教えをひとことで言えば、「即身成仏」です。
これは、空海の『即身成仏義』にまとめられています。

「即身成仏」と「即身仏」は違います。

「即身仏」は、生きたままミイラのようになっていくこと、
「即身成仏」は、この身このままで仏である、ということです。

何ゆえに、悩み多き私たちが、このままにおいて仏なのか?
それを説いたのが『即身成仏義』なのです。

即身成仏 2

「 六大無碍(むげ)にして常に瑜伽(ゆが)なり 」

この世界のあり方を、一文で表したものです。
六大とは、地水火風空識という、この世界を構成するものです。

これが常に瑜伽(ゆが)しているというのは、互いに関係しあって
融合、調和、双入しあって存在しているということです。

言い換えれば、それ自体、単独で存在してはいないことを意味しています。

「空」の説明のときに、「空」とは自性がないこと、
無自性であることと説明しました。

これを思い出していただければ、理解できるのではないでしょうか。

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即身成仏

即身成仏 3
「 三密加持して速疾(そくしつ)に顕わる 」

三密加持すれば、即身成仏がまさに現前すると言っています。

三密加持は、密教瞑想です。
三密は、身口意(身体、言葉、心)の働きです。

もともと仏教では、身口意(しんくい)の三業(さんごう)といって、
悪しき行動、悪しき言葉、悪しき心を正すという考えがあります。

人には、煩悩にまみれた身口意があるからです。

三密は、この身口意を、仏(完成者)の側から見たものになります。

仏から見れば、身口意は、
「完成された行動、完成された言葉、完成された心」
となります。

空海はこの「三密」を、衆生のなかにも見るようになります。

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 コミュニケーションは合気道 ~ 遊び心(12月7日)
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即身成仏

即身成仏 4
「 三密加持して速疾(そくしつ)に顕わる 」

衆生にも仏性があるとしたならば、身口意の三密は、
衆生にもあることになります。
それを瞑想によって現前するわけです。

瞑想では、身を印、口を真言(マントラ)、意を観想、で行います。

仏には、仏ごとに決まった印と真言(マントラ)があります。
不動明王の印を結び、不動明王の真言を唱え、不動明王を観想すれば、
まさに自身不動明王となるのです。

身口意をセットで瞑想するのが、密教瞑想の特徴であり、
短期間で効果を発揮する秘訣でもあります。

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