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仏教・密教へのお誘い

なぜ今仏教なのか?
 日本は仏教国と言われますが、仏教の内容を知っている人はほとんどいません。
知っているのはインドに生まれたお釈迦さん(釈尊)が始めたものということくらいでしょう。
 ところが欧米では、意外と仏教が知られていたりします。ヨーガと並んで心身を磨く良いツールとなっているようです。
そのため、キリスト教徒でありながら仏教に取り組むということも可能です。
高野山に来る観光客を見ても、外国人が非常に多いのに驚きます。

 諸外国でそれくらい高く評価されている仏教が、日本では、人が死んだら訳の分からないお経を唱えるだけのもので、
私たちの人生に直接関係のあるものとは、考えられていません。

 せっかく仏教という偉大の遺産(文化)を持ちながら、それを活かしていない状況は大変残念に思います。
 日本は昔から、自国の偉大な文化を軽視し、外国の文化にあこがれ、それを輸入することに熱心なところがあります。
そのため日本の文化が海外で評価されると、それを逆輸入するという形がよく見られます。
もしかしたら仏教にもそのような時代が来るかもしれません


私と仏教との出会い
 全く宗教に関心の無かった私が仏教に興味を持ったのは、コーチングを始めてからです。
コーチングとは、コミュニケーションを通じて心理的に人を支援し、目標実現やより良い人生の実現を助けるものです。

 コーチングはアメリカから輸入されたものですが、やればやるほど、中身は昔から日本に有ったものだと感じました。
日本は昔から教育や人材育成に非常に熱心な国であり、コーチングと呼べるようなものは昔から随所に見られます。
ただしアメリカで発達したコーチングは、西洋心理学の理論を背景にシステム化され、論理的体系的にうまくまとめられています。ものごとのシステム化は、日本より欧米の方が一般的に優れているようです。

 さらに、コーチング、カウンセリング、自己啓発セミナーというものを調べていくと、その元ネタが、仏教や密教の中に見つかるということが、いろいろ出てきました。西洋心理学で無意識が扱われるようになったのは、フロイト(1856-1939)以降ですが、仏教では約2,500年前から無意識を前提とした心の扱い方を考えています。

 またカウンセリングなどの心理療法で使われる「フォーカシング」や「プロセスワーク(プロセス指向心理学)」では、身体の感覚やイメージを見ていきますが、それは昔からある仏教の瞑想法に非常に似ています。
 私がコーチングなどに取り入れている「ソリューション・フォーカス・アプローチ」は、欠点を修正するのではなく、人の持つリソース(資源、使えるもの)を活かしていくという手法を取りますが、これは、仏教の発展形である密教の思想と一致します。

 欲求5段階説を唱えたマズローは、自己実現の上にさらに自己実現を超えるもの(トランスパーソナル)を考えました。
 ユングは、マンダラやタオなどの東洋思想を西洋心理学の中に取り入れて、心理を探求しました。ユングの流れを組むプロセスワーク(プロセス指向心理学)は、夢や身体をキーにして、トランスパーソナルな世界やスピリチュアルな世界を、見せてくれます。
 ケン・ウィルバーは、インド思想やタオの思想などを取り入れながら、トランスパーソナルな世界につながる意識の世界を体系化しています。
 このようなトランスパーソナルな世界やスピリチュアルな世界を理解していくうえで、仏教や密教は大きな力を発揮するものと考えています。    【 橋本文隆 】

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