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組織変革 / 組織品質向上 2

2.組織変革のフレームワーク 

フレームワークは、ものごとをある観点から見ることで、いくつかの領域に分割します。フレームワークを使って組織を見ると、今まで見えていなかったものが見えてくるため、組織の変革に有効なツールになります。
ただしフレームワークは特定の観点だけを提供するので、他の観点が抜け落ちる危険性があります。フレームワークの意味を理解し、適切な時に適切なフレームワークを使うことが大切です。
 ここでは企業のタイプを示すバリュープロポジションと、組織を把握するための7S経営品質を紹介します。

★バリュープロポジション
「企業が顧客に提供する価値」という観点で、企業を3つのタイプに分けます。「業務の卓越性」「緊密な顧客関係」「製品の優位性」の3つのタイプがあります。いきなり3つとも高めようとすると、結局どれも中途半端になります。
自社が最も大切にしたい価値を明確にし、それを高めることが大切です。

タイプ 代表的企業 重要な活動
業務の
卓越性
デル・コンピュータ(Dell)
トヨタ自動車(TOYOTA)
セブンイレブン
優れた業務の仕組み・プロセスが、顧客に価値を提供します。競争力のある価格や品質、ラインアップを提供することが重要です。
緊密な
顧客関係

リッツカールトンホテル
ディズニーランド

ひとりひとりの顧客との緊密な関係が、顧客に価値を提供します。顧客別の特別サービスや個別の対応などが重要になります。
製品の
優位性
インテル(Intel)
本田技研工業(HONDA)
ソニー(SONY)
他社には無い製品やサービスが、顧客に価値を提供します。新製品開発や独自の機能を提供する能力が重要になります。


経営の7S
7S
は、マッキンゼー(戦略コンサルティング会社)が打ち出した、組織を見るフレームワークです。
7つに分類した頭文字を取って、7Sと呼ぶます。
7Sは、ハードの3Sとソフトの4Sに分かれます。

経営の7S

Strategy    (戦略)

ハードの3S
意思と力があれば、
変更することが可能。
ここにだけ眼を向けている変革が多いが、ココだけ変えても、変革は成功しない。

Structure   (機構)
System     (制度)
Style      (運営スタイル) ソフトの4S
力で強制的に変更することは難しい。
ビジョンや価値観などの方向付けをするとともに、継続的なコミュニケーションが必要になる。
ここが変わらなければ、変革は成功しない。
Skill       (技術)
Staff      (人材)
Shared Value(共通の価値観)


★経営品質 8つのフレームワーク
経営品質(MQ:マネジメント・クオリティ)では、組織活動を8つの領域に分けて見ていきます。
経営の7Sが、組織の構造や機能を見るフレームワークだとすると、
経営品質(MQ)のフレームワークは、組織活動の内容を中心に見ます。

<8つの分野(カテゴリー)>

活動プロセス 1.経営幹部のリーダーシップ
2.経営における社会的責任
3.顧客・市場の理解と対応
4.戦略の策定と展開 
5.個人と組織の能力向上
6.価値創造のプロセス
7.情報マネジメント
プロセスの結果 8.活動結果


カテゴリーの 1~7 は、プロセスや仕組みを見ます。
カテゴリーの 8 は、活動した結果を見ます。
成果主義と称して、結果しか見ない企業がありますが、それでは組織は良くなりません。
活動プロセスが適切に機能することで、継続的な改善が実現します。

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