MBTI( Myers-Briggs Type Indicator) 3
MBTI の特徴
数多くの心理検査の中で、MBTI には以下の特徴があります。
1.心理学学会で扱われている心理検査である。
心理検査には、学会で扱われているものと、そうでないものがあります。
2.信頼性や妥当性が統計的に算出されている。
統計的に充分な検証が行われている検査です。
3.心理学者ユングの理論をベースに、40年以上の研究実績がある。
出所の分からない、いいかげんな検査ではありません。
4.世界で毎年約500万人が利用する実績豊富な検査である。
5.タイプ分類だけでなく、自己実現に向かう心の成長過程を扱っている。
自己実現への心の成長は、MBTI の大きな特徴です。
6.米国では、レベルBの検査として認定されている。
米国では心理検査にレベルがあり、厳密な使用が義務づけられています。
レベルA 誰でも使用できる検査 TA(交流分析)など
レベルB 大学院修士卒レベルが使用できる検査 MBTI など
MBTI の実施には高度なレベルが要求されていると言えるでしょう。
そのため日本でも、認定資格制度を設けています。
タイプ論の誤解
多くの心理テストは、特性論という考え方に基づいています。特性論では、心をいくつかの特性(習慣的に行う行動傾向)に分類し、特性の高低や組み合わせでパーソナリティを判断します。
例えば、エゴグラムという心理テストでは、
CP(批判的な親) / NP(養育的な親) / A(成人)
FC(自由な子供) / AC(順応した子供)
という5つの尺度に、それぞれ得点を付け、その組み合わせパターンを見ます。
低い得点の尺度が高くなるように、工夫することも可能です。
特性論は、通常の人の見方と共通性が高く、違和感無く受入れられることが多いようです。
一方タイプ論は、誤解されて認識されたり、間違った解釈で伝えられることが多いようです。認定有資格者は、正しくタイプ論を伝える責任があります。タイプ論がダメだと言う多くの人が、タイプ論を特性論的に解釈しています。
タイプ論によくある間違い
人を無理やりタイプに当てはめると失敗します。
人の多様性を見ないで、タイプ分類をしても、判断を誤ります。
「○○タイプには、××という言いかたをすれば大丈夫だよ」
「あなたは、○○○タイプだから、~と考えるのよ」
「あなたは、○○○タイプだから、~の仕事には向いていないね」
などと決めつけることは、誤りです。
タイプによって、仕事への関わり方や能力の発揮の仕方が変わることはあるでしょうが、それは向き不向きとは無関係です。
「看護婦には、SFタイプが多い」など、どの仕事にどのタイプが多いかは、統計的に出ます。しかし、その仕事や業界で少数派のタイプであることは、必ずしも不利であるとは限りません。逆に少数派としてのメリットを活かすことも考えられます。
MBTIは、その人が最も自然で楽な状態(ベストフィットタイプ)を探求しますが、
タイプが性格や行動を決定するとは考えていません。
自分が普段使わない心の機能を理解し、その機能に目覚めていくことも、自己の成長や自己実現の一過程になります。
<参考資料>産業カウンセリング入門
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