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ソリューション・フォーカス ~ 伝統派 と 革新派

ソリューション・フォーカスは、インスー・キム・バーグとドゥ・シェイザーが開発したものですが、さまざまな分野で使われるようになるにつれ、ソリューション・フォーカスに対する考え方も多様化してきました。

ソリューション・フォーカスは、大きく伝統派(正当派)と革新派の2つに分けられるのではないかと考えています。

ソリューション・フォーカスは元々セラピーの分野で生まれました。
ソリューション・フォーカス・ブリーフ・セラピーと呼ばれていた時代もあります。
それがソリューション・フォーカス・アプローチ(SFA)と呼ばれるようになり、
最近ビジネス界では、ソリューション・フォーカス(SF)と呼ばれています。


伝統派は、セラピーで使われるコミュニケーションやアプローチを重視していると思われます。
ソリューション・フォーカスの定義や範囲を明確に定め、標準的な手順を遵守しようとします。

革新派は、ソリューション・フォーカスの範囲を幅広くとらえ、比較的アバウトに考えていきます。
問題ではなくソリューション(解決)に焦点を合わせるという概念や考え方を重視します。
細かな手順の設定やマニュアル化には、あまり積極的ではありません。


私はソリューション・フォーカスを、コーチング、日常のコミュニケーション、リーダーシップ、組織開発など、さまざまな分野で活用することを推進しています。
そのためには、ソリューション・フォーカスを革新的に考えていく必要があります。
大切なのはソリューションにフォーカスすることであって、具体的なコミュニケーションの手法はそれぞれの場面に応じて変えていくものなのです。

これは伝統派からは、ソリューション・フォーカスを逸脱しているように見えるかもしれません。
しかし、インスー・キム・バーグやドゥ・シェイザーが本当に望んでいたのは、このような多様な発展であったと、私は考えています。

インスー・キム・バーグは晩年に、コーチングの本を出しています。
「インスー・キム・バーグのブリーフコーチング入門(Brief Coaching for Lasting Solutions)」

またソリューション・フォーカスを組織変革に活用するグループの大会にも顔を出しています。
セラピストの教育においては、自分のコピーを作らないように注意していたといいます。


私は、ソリューション・フォーカスを社会のさまざまな分野に活かしていくことは、インスー・キム・バーグの意思に沿うものと考え、マニュアルに縛られない革新的なソリューション・フォーカスを提唱しています。

もちろん伝統派には伝統派の良さがありますから、それぞれの立場でソリューション・フォーカスを広めていくことができれば、大いに社会に貢献していくものと考えています。

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