コーチング 基本概念
1.コーチングとは
コーチングには、特に定まった定義がありませんが、以下のようなことが言われています。
●コミュニケーションを通じて、人の前進をサポートするシステム
●個人の自己実現をサポートするためのコミュニケーション
●行動を引き出し目標を達成するコミュニケーション
●その人が本来持っている能力や可能性を
最大限に発揮させることをサポートするシステム
●パフォーマンスを向上させるために、気づきを引き出し、
本人の自発的行動を促進させるコミュニケーション
2.コーチングて何をするの?
コーチングはコミュニケーションで、自分や世界に違いと前進を創作します。
コーチングのスキルというのは、コミュニケーションのスキルの一種です。
コーチングでは、コーチが答え(解決策)を出さないで、プレーヤーが答えを出すように支援(コミュニケート)していきます。
一般的には、「傾聴のスキル」や「質問のスキル」が有名ですが、それだけがコーチングではありません。
プレーヤーが自立し、能力を伸ばし、成果を出すためにあらゆるコミュニケーションを行います。
コミュニケーションの方法は、一人ひとり異なります。
人は一人ひとり考え方も行動のパターンも異なります。
コーチは、その時その人に適切なコミュニケーションを選ぶ必要があります。
3.コーチングの種類
世界には多くの種類のコーチングがあります。
目的や内容によって、コーチングを選択することも必要です。
コーチングの例
パーソナルコーチング
個人を対象にコーチするもので、個人の自己実現などが目的になります。
コーポレートコーチング
企業に所属するメンバーを対象にコーチするものです。
社員の能力向上や業績向上を目標にすることが多いようです。
マネジメント型コーチング
部下の管理、目標管理など、マネジメントを中心としたコーチングです。
企業の中間管理職教育などで、よく使われています。
コーポレートコーチングの一種と言えるでしょう。
誘導型コーチング
相手をコーチが考える方向に導いていくコーチングです。
コーチが正しい方向を知っているときに使われます。
誘導先を直接教えないで、相手が気づくようにコーチします。
認知型コーチング
相手に答えを生み出させるコーチングです。
正解が分からないような問題(未知の課題)に取り組むときに使われます。
コーチも想像出来ないような結果を生み出すことが可能です。
スキルコーチング
特定のスキルを身につけさせるコーチングです。
コーチングでは、聴き方のスキル、話し方のスキル、など様々なスキルが使われます。また、セールススキルなどのビジネススキルを、コーチング手法を使って身につけさせることも行われています。ティーチングやトレーニングなどと、組み合わせて使われることが多いようです。
これ以外にも、瞑想やエクササイズと組み合わせたものなど、様々なコーチングが存在します。
4.組織でのコーチング
企業内では社員の能力向上のために、さまざまな研修が行われています。
それは大切なことなのですが、研修の成果は確実に出ているでしょうか?
研修を受けても、本人が成長し仕事に活かされなければ、時間とお金のムダになります。
人材開発の企画や実施は、経営戦略や人材戦略をふまえて、現場に必要なことを行うことが大切です。しかし研修の企画や実施が、現場と無関係に行われている企業もあります。
また、研修講師は研修後の現場活動に関わることは少なく、研修後の行動に責任を持っていない場合がほとんどです。そのため研修を行っても、それを活かすのは本人任せというケースがよくあります。
コーチングは、集合研修のような形で行う場合もありますし、現場で個別に行うケースもあります。集合研修と現場での個別コーチングを組み合わせるパターンもあります。複数のメンバーが共同で作業しながら学んでいく、ワークショップという形式を採ることも、多くあります。(グループコーチングのことをワークショップと呼ぶこともあり、言葉の使い方は各自バラバラです。)
やり方はいろいろありますが、大切なことは、日々の行動が変化し成果を出すようになることです。コーチングは学問でもなければ、自己満足のためのものでもありません。実践が伴うとき、コーチングは価値を持ちます。
組織のあり方(文化や風土)を改革するときにも、コーチングは効果を発揮します。組織風土の改革と言っても、すごく抽象的な感じがしますが、組織を構成するメンバー一人一人が変わることで、組織全体の改革が、やり易くなります。組織や場には、良くも悪くも人を動かす力がありますが、その組織や場を創っているのは人です。ですから、組織と人の一方だけを変えようとするのは無理があります。
社内にコーチを養成する場合や、マネージャーにコーチングのセンスを身につけてもらう場合に、組織構造や組織風土などを考慮して進めることも必要です。例えば、直属の部下や家族など身近な人へのコーチングやカウンセリングは、返ってやり難いという人もいます。組織の風土や目的に合ったコーチングを検討することも大切な作業になります。
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