ブログ空海 密教

密教の誕生

密教の発生時期について正確なことは分かりませんが、
かなり早い時期からその芽はあったものと思われます。

初期大乗経典である般若心経の中にマントラ(真言)があるように、
インド人にとってマントラ(真言)を使うことは、極めて一般的な
ことであったと思われます。

初期においては、大乗仏教とは別に密教の組織があるのではなく、
大乗仏教徒の中に密教的な修行を行う僧が現れ、
それが拡大していったのだと思われます。

大乗仏教には、六波羅蜜を修行する波羅蜜門と、真言門というふたつの法門に
区別されることがあります。
密教は真言門を発展させたと見ることができます。

また密教は、短期間で悟りを得るために考え出されたと言われています。
初期仏教に比べて、広く衆生の救済を打ち出した大乗仏教は、何度も生まれ
変わって修行を積まなければ悟りを得られないという状況になりました。

この世では覚りを得られないという状況をふまえて、この世で幸せになるために、
短期間で悟れる手法が密教であったわけです。
その意味では、密教は大乗仏教に比べて、易行であると考えられます。

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密教の誕生2

日本では、大乗仏教はお経をあげるだけだが、密教や禅宗は厳しい修行を
するかのように思っている人が多いのではないでしょうか。

日本で普及している多くの宗派は、鎌倉仏教と呼ばれるものです。
鎌倉仏教は、真言・天台の密教を踏まえてあみ出されたもので、
密教以上に易化しているところがあります。
例えば、浄土真宗(親鸞)は、修行を否定します。

また、その思想や行法のなかに、明らかに密教の影響を受けていると
思われるものがいろいろあります。

今までの大乗仏教の話は、密教誕生以前の仏教であり、
密教誕生後に生まれた、日本の鎌倉仏教と混同すると、
話はややこしくなります。

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密 とは何か

真言密教では、秘密の意味を「如来の秘密」と「衆生の自秘」の
2種類に分けています。

「如来の秘密」とは、相手に合わせて教える内容を変え、
誰にでも何でもかんでも教えないということです。

未だ心身の準備が十分に出来ていないものに、様々なものを教えることは、
お互いにとって害になるかもしれません。

心が清らかでないのに、ヨーガで神秘体験する技術だけを身につけると、
それを使ってカルト宗教を始めるかもしれません。
「如来の秘密」は、そのような危険を防ぐ意味もあります。

「衆生の秘密」は、仏の教えは明らかになっているにも関わらず、私たち自身の
愚かさにより、その真実の姿を見ることができないことを意味します。

密教では、私たちの心はその最も本質的なところにおいて、
清浄なるものであると見ます。
しかし私達は、煩悩にまみれ、その清らかな姿を見ることが出来ません。

煩悩を離れ、偏見やこだわりではなく、素直に心を観るとき、
秘密は秘密でなくなり、清らかなる心が顕れてきます。 

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密教の分類

一口に密教と言っても、実は多くの種類があります。

  三分類            四分類
初期密教(雑密)       所作タントラ
中期密教     大日経   行タントラ
         金剛頂経  瑜伽タントラ
後期密教           無上瑜伽タントラ

日本では伝統的に三分類することが多く、
チベットでは四分類が代表的な分類方法です。

日本は中期密教、チベットは後期密教を引き継いでいます。

後期密教(無上瑜伽タントラ)になると、性的なヨーガが導入されるなど、
一段と変質していきます。
これを発展とみる人もいれば、堕落とみる人もいます。

チベット仏教では、密教に入る前に、初期仏教、大乗仏教を
修めることになっています。

「空」や「執着からの離脱」などを理解していなければ、密教に進めないわけです。
このシステムは、密教の堕落を防ぐ意味で、効果的なシステムだと思います。

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真言宗の経典

真言宗は、中期密教である『大日経』と『金剛頂経』を基本経典とし、
これを「両部の大経」などといいます。

お経といっても、この二つのお経は読経には使いません。
ここには、密教の思想と、悟りを啓くための修行法が書かれています。

真言宗で普段、読経によく使われるのは、『理趣経』と『般若心経』です。
空海と最澄決別のきっかけともなったのは、この『理趣経』の注釈書『理趣釈経』
の貸与をめぐってのことでした。

最近はずいぶん甘くなってきたようですが、本来十分な修行を積んだ人にしか、
『理趣経』は伝授しないものです。
(「理趣経加行」という修行を終えてから伝授されるのですが、
最近はこの加行をやらないところも多いらしいです。)

『理趣経』は愛欲を肯定するなど、後期密教につながるような思想も見られます。

空海は、最澄のレベルにおいてさえ、まだ『理趣経』を伝授するに至らず
と考えたのでしょう。

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三句の法門 1

真言密教の基本経典である『大日経』にある、有名な言葉です。
「ほとけの智慧(一切智智)は、どのようなものですか?」
という質問に対して、 毘盧遮那仏(大日如来)が答えるものです。

仏のいわく
「菩提心を因とし、大非を根(こん)とし、方便を究竟(くきょう)とす」
いわゆる三句の法門です。

そして、
「いかんが菩提とならば、いわく、 実の如く自心を知るなり 」
と続きます。

ここは、『大日経』のエッセンスともいうべき部分で、
この部分だけでも、何度も何度も噛みしめて、よく味わうだけの
価値のあるところだと思います。 

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三句の法門 2

「 菩提心を因とし、大非を根とし、方便を究竟とす 」

短い言葉なので、このまま覚えてしまえばいいと思いますが、
一応 現代語訳を書くと

仏の智慧は、
菩提心を始まりとし、大いなる慈悲を根本とし、
それらを実現する具体的な方法を究極とする。

という感じになります。

相手に合わせた具体的な方法がなければ、現実は変わらないわけで、
方便を究極とするのは、現世を重視する密教の姿勢の表れです。 

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三句の法門  3

「 菩提心を因とし、大非を根とし、方便を究竟とす 」
この三句の法門には、因位の立場と果位の立場の、二通りに解釈があります。

因位の立場
因  :悟りを得るために菩提心を起こす
根  :菩提心を起こすは、大悲の心に根ざしている
究竟 :修業の完成には、様々な方便が必要である

果位の立場
因  :悟りを得た心(菩提心)を出発点とする
根  :大悲の心が根底にあるから、衆生の救済に向かう
究竟 :様々な方便で衆生を救済する

衆生を救済してこそ、密教です。
そのためには、菩提心を起こし修行することが大切です。

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三句の法門  4

如実智自心 (にょじつちじしん)

「菩提心を因とし、大非を根とし、方便を究竟とす」
「いかんが菩提とならば、いわく、 実の如く自心を知るなり 」

菩提というのは、あるがままに自分の心を知ることだと説かれています。
これは、「如実智自心」という言葉でよく語られます。

如実とは、あるがまま、事実、真如などの意味。

自分の心をそのままに知ることこそ、菩提の心(悟りの心)であり、
それこそが覚りへの出発点になるということです。

自心を、どれだけ、うそ偽りなく、素直に、幅広く、奥深く
見ることが出来るでしょうか?

「如実智自心」は、真言密教の最重要キーワードのひとつであり、
ある意味、そこに尽きるとも言えると思います。 

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密教の特徴 ~ 象徴

象徴の活用は密教の大きな特徴です。
密教では、さまざまな法(教え)や概念を、象徴を使って表わしていきます。

象徴を使って、見えないものを見えるものにしていくわけです。

真言密教の中心となる仏は「大日如来」ですが、これは、この世界全体
(世界の本源)を「仏」として現したものです。

目には見えない「この世界を貫く本源的な法」を「大日如来」と
「仏像化」し、祈りや瞑想の対象とするのです。

「大日如来」を「阿」という文字で現せば、「阿字観」という瞑想になり、
清浄で円満な心を「月」で現せば「月輪観」という瞑想になります。

密教では、壇を荘厳し、三鈷杵、鈴、火舎、六器など数多くの法具を使って
修法します。

各法具には、それぞれ意味があります。
例えば六器は、六波羅蜜の象徴として使われます。

曼荼羅(マンダラ)は、世界を象徴的に現したものですし、
護摩の火なども、ひとつの象徴です。

密教の基本は、三密加持という瞑想です。
これらの象徴は、その瞑想をより効果的にします。

禅が何もない(無一物)の瞑想だとしたら、密教は可能なものは何でも使って、
五感をフル活用する瞑想です。

象徴は、そのためにも必要なものなのです。

※六波羅蜜の解説は メルマガ62号(2008/10/3)をご覧ください。

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