1.ソリューション・フォーカス・アプローチ (解決志向とは)
ソリューション・フォーカス(解決志向)は、セラピーやカウンセリング、コーチングなどで圧倒的な成果を出しているアプローチです。
問題があるときに、問題を解決しようとするのが通常の姿ですが、ソリューション・フォーカス(解決志向)では、問題を解決しようとせず、解決(ソリューション)を直接構築します。
【 問題解決 から 解決構築へ 】
このパラダイムシフトが大きな成果を生み出しています。
2.ソリューション・フォーカス(解決志向)の背景
ソリューション・フォーカスは、ブリーフセラピー(短期療法)と呼ばれるセラピー療法の中から生まれました。セラピーでは、登校拒否や出社拒否などの問題を抱えている人を扱います。セラピーも以前は問題解決が主流でした。そして多くの場合、長期的な関わりが必要になります。
しかしソリューション・フォーカス(解決志向)の手法では、驚くべき短期間で解決する事例が続出しました。
あるデータでは、275ケースの面接で、面接回数の平均 2.9回
26%のクライアントが、1回の面接で終了 という結果を出しています。
「 参考文献 解決のための面接技法 」
3.ソリューション・フォーカス(解決志向)を推薦する理由
①シンプル:
ソリューション・フォーカスはシンプルです。複雑でややこしいものは、大概身に付きません。シンプルだから、短期間ですぐにコーチングを使えるようになります。
コーチングを受けた人がその成果に感激し、自分も社内でやろうとされます。とても素晴らしいことなのですが、多くの人がうまく出来ないでいます。プロコーチとして長時間の研修を受けた人と同じように出来なくても、それは当然です。
しかしソリューション・フォーカスはシンプルなので、短期間でそれなりの成果が出せるようになります。
②奥が深い
ソリューション・フォーカスはシンプルですが、単純な小手先のテクニックではありません。セラピーという非常にシリアスな場面で磨かれた、深い人間性に根ざしたアプローチです。
③どこでも使える
ソリューション・フォーカスは、日常の会話の中でも簡単に使うことができます。コーチング面談という、特定の場面だけで使えるものとは違います。
さらに、セラピー、カウンセリング、コーチング、ファシリテーションなど、様々な場面でも使うことができます。
④安全
セラピーという大きな問題に対処することから生まれた手法ですから、安全性には高い注意を払っています。
人を傷つけるようなコーチング、人を不愉快にさせるコーチングを眼にすることが、よくあります。ソリューション・フォーカスは心の安全を第一に考えています。
4.ソリューション・フォーカス(解決志向) 3つの原則
基本の原則(方針)は3つ。これを実行するだけです。
<ルール1> 壊れていないなら、修復するな。
<ルール2> もし一度やってうまくいったなら、またそれをせよ。
<ルール3> もしうまくいっていないのであれば、違うことをせよ。
5.ソリューション・フォーカス(解決志向)の基本
ソリューション・フォーカス・アプローチの基本は、ソリューショントークを展開することです。ソリューショントークとは、問題に焦点を当てず、解決(ソリューション)に焦点を当てた会話を展開することです。
ここで一つだけ考え方の変化(パラダイムシフト)が必要です。
通常 : 問題を無くすためには、問題を解決しなければならない。
解決志向: 問題は扱わなくても、解決を実現することはできる。
この立場からの会話(ソリューショントーク)を展開すれば、それは正に
解決志向(ソリューション・フォーカス)アプローチです。
6.ソリューション・フォーカス(解決志向)のコーチング
決まりきった手順を持たないのが、ソリューション・フォーカス・コーチングですが、
大体、次のような内容で行います。
1.クライアント-コーチ関係のアセスメント(査定)
2.ソリューションとゴールイメージの話し合い
3.解決(ソリューション)に向けての有効な質問
4.介入 (コンプリメント、課題、フィードバック)
5.ゴールメンテナンス(EARS)