コミュニケーション心理学/SFA

SFA(ダブル・ディスクリプション・モデル)

メルマガの転載、ひさびさに、SFA(ソリューション・フォーカス)情報をお届けします。

「 ダブル・ディスクリプション・モデル 」

ダブル・ディスクリプション・モデルは、東北大学の長谷川啓三先生の
グループが提唱しているブリーフセラピー(短期療法)です。

SFA(ソリューション・フォーカス)系の人は、どちらかと言えば、
「良くなったら、それでええやん」みたいなノリの人が多い気がしますが、
長谷川グループは、ひたすら理論的に詰めて、理論と実践の統合を
高いレベルで行おうとしているように感じられます。

ダブル・ディスクリプション(二重記述)というのは、ブリーフセラピーの
祖であるグレゴリー・ベイトソンが持ち出していることなのですが、
簡単に言えば、ひとつの現象を異なる二つの視点から同時に見よう、
みたいな話しです。

人間は、両目でひとつのものを見ることによって、片目でみるよりも
より深くものごとを見ることができます。

ダブル・ディスクリプション・モデルでは、SFAの母体となる
「MRI」と「SFA」の二つで二重記述します。

「MRI」は、今起こっている悪循環を見つけて、それを断ち切るのが
基本です。
「SFA」は、今起こっている良循環を見つけて、それを拡大するのが
基本です。

この二重記述により、より効果的なアプローチを目指すわけです。

--- お知らせ ---

今年もあとわずか!来年の夢を実現するコーチング 

 来年こそ夢・目標を実現したいが、
    どうしたらいいのか分らない皆さまへ !

12月23日(祝)大阪
来年のビジョン・目標を明確にする意図で、コーチングを行います。

詳細はこちら
http://www.performanceship.com/blog/2009/12/post-7ec3.html

ソリューション・フォーカス ~ 伝統派 と 革新派

ソリューション・フォーカスは、インスー・キム・バーグとドゥ・シェイザーが開発したものですが、さまざまな分野で使われるようになるにつれ、ソリューション・フォーカスに対する考え方も多様化してきました。

ソリューション・フォーカスは、大きく伝統派(正当派)と革新派の2つに分けられるのではないかと考えています。

ソリューション・フォーカスは元々セラピーの分野で生まれました。
ソリューション・フォーカス・ブリーフ・セラピーと呼ばれていた時代もあります。
それがソリューション・フォーカス・アプローチ(SFA)と呼ばれるようになり、
最近ビジネス界では、ソリューション・フォーカス(SF)と呼ばれています。


伝統派は、セラピーで使われるコミュニケーションやアプローチを重視していると思われます。
ソリューション・フォーカスの定義や範囲を明確に定め、標準的な手順を遵守しようとします。

革新派は、ソリューション・フォーカスの範囲を幅広くとらえ、比較的アバウトに考えていきます。
問題ではなくソリューション(解決)に焦点を合わせるという概念や考え方を重視します。
細かな手順の設定やマニュアル化には、あまり積極的ではありません。


私はソリューション・フォーカスを、コーチング、日常のコミュニケーション、リーダーシップ、組織開発など、さまざまな分野で活用することを推進しています。
そのためには、ソリューション・フォーカスを革新的に考えていく必要があります。
大切なのはソリューションにフォーカスすることであって、具体的なコミュニケーションの手法はそれぞれの場面に応じて変えていくものなのです。

これは伝統派からは、ソリューション・フォーカスを逸脱しているように見えるかもしれません。
しかし、インスー・キム・バーグやドゥ・シェイザーが本当に望んでいたのは、このような多様な発展であったと、私は考えています。

インスー・キム・バーグは晩年に、コーチングの本を出しています。
「インスー・キム・バーグのブリーフコーチング入門(Brief Coaching for Lasting Solutions)」

またソリューション・フォーカスを組織変革に活用するグループの大会にも顔を出しています。
セラピストの教育においては、自分のコピーを作らないように注意していたといいます。


私は、ソリューション・フォーカスを社会のさまざまな分野に活かしていくことは、インスー・キム・バーグの意思に沿うものと考え、マニュアルに縛られない革新的なソリューション・フォーカスを提唱しています。

もちろん伝統派には伝統派の良さがありますから、それぞれの立場でソリューション・フォーカスを広めていくことができれば、大いに社会に貢献していくものと考えています。

NLPとSFA(ソリューション・フォーカス)の違い

最近は、NLPがかなりのブームです。
コーチの資格を持っている人が、またNLPのマスタープラクティショナーなどの資格を取りにいかれるというのも、よくききます。

NLPもSFA(ソリューション・フォーカス)も、天才療法家ミルトン・エリクソンやグレゴリー・ベイトソンの流れを組むコミュニケーションです。
「ブリーフセラピー(短期療法)」や「コミュニケーション心理学」と、言われることもあります。

NLPとソリューション・フォーカスの特徴的なところは、セラピーだけではなく、他の分野でも活用が目立つ点です。
NLPは自己啓発セミナーで有名になり、最近はコーチングで注目されています。
ソリューション・フォーカスは、コーチングで使われるほか、組織変革や企業の問題解決に使われています。

さまざまな分野で使われるNLPはソリューション・フォーカスは、コンピューターのOS(オペレーティング・システム)に例えられることがあります。

OSとは、WindowsやLinux、UNIX、MacOSなどのソフトのこと。
OSの上で、ワープロや表計算、ゲームなどのアプリケーションソフトを使います。
やりたいことによって、自由にアプリケーション・ソフトを選ぶことができます。

NLPやソリューション・フォーカスも、ベースとなるOSであって、アプリケーションは、セラピー、コーチング、自己啓発、ファシリテーション、組織変革、問題解決など、自由に選べばいいわけです。

そして、WindowsとLinux、UNIXが、それぞれに特徴があるように、NLPとソリューション・フォーカスにもそれぞれの特徴があります。


NLPは、フル機能の大きなOS と言えると思います。
非常に機能が豊富で、あらゆる場面に利用できるツールがそろっています。
エリクソンの他、ゲシュタルトや家族療法、行動療法など、多くの療法が見られます。
OSでありながら、アプリケーションまで揃えている感じがします。


一方、ソリューション・フォーカスは、シンプルで軽いOS と言えます。
機能は絞られ、ツールは必要最小限にし、OSに特化した感じがします。
必要なアプリケーションは自由に持ってくればいいという、軽快なOSです。

NLPは、すべてが揃っているところが長所であると同時に、すべてを身につけるのは並大抵のことではないと思われます。

NLP トレーナーの北岡泰典氏によれば、著名な NLP トレーナーであるマイケル・ホール氏に対しても、NLPの創始者であるジョン・グリンダー氏は「NLP を語れるが、体で示せていない」という評価だそうです。
相当本格的に取り組まなければ、体で身につけるのは困難なようです。

一方、ソリューション・フォーカスは、シンプルで修得がしやすいところが長所であると同時に、あらゆるケースに対応するには、機能不足であると思われます。
ソリューション・フォーカスという世界だけでは、対応できないケースもあるでしょう。
必要に応じて適当なツールやアプリケーションを持ってくるということも必要です。


NLPとソリューション・フォーカスは、それぞれに特徴があるので、どっちがいいと言うものではありませんが、誰にでも入りやすいということでは、ソリューション・フォーカスはお勧めです。

ソリューション・フォーカスだけで充分だという人もいますし、NLPや認知行動療法、コーチングなどと組み合わせていく人もいます。
私自身、ソリューション・フォーカスに加えて、システム思考、武道論、意識論、ユング心理学、瞑想など、さまざまな方法を利用します。
しかしそれらはすべて、ソリューション・フォーカスと共に使われます。
ソリューション・フォーカスを否定して、やり方を変えるということはありません。

この汎用性の高さは、ソリューション・フォーカスの大きな特徴でしょう。
他の手法と共存できるということは、今まで学んできたことも無駄にならないということです。
そして、自分にとって必要なものが他にあれば、ステップをふんで効率的に追加していくことができるということです。その意味でソリューション・フォーカスは、やはりお勧めです。

コミュニケーションの3階層構造 ~ SFA

コミュニケーションを、「Be - Do」あるいは「Being - Doing]と、ふたつに分けて説明することがあります。

Be(ing) とは、あり方、姿勢、態度、などのこと。
Do(ing) とは、やり方、技法、手法、などのこと。

ここでは、2つではなくて、3層に分けてみました。

コミュニケーション

【     やり方・技法・手法   】
【     考え方・方針・原則    】
     あり方・姿勢・態度   】

考え方や原則を、BEに入れて説明しているものや、技法ややり方として説明しているものがありますが、別にした方が理解しやすいと思います。

ソリューション・フォーカスの最も特徴的なところは、考え方や原則の部分だと、私は考えています。
やり方や技法は、自由に選べるのが、ソリューション・フォーカスの特徴です。
あり方や姿勢は、コミュニケーション全般に共通するものです。

組織変革や人材育成などの場面でも、「考え方、原則」というのは、すごく大事です。
変化の激しい時代においては、過去のやり方や成功方法が、今では通用しないということがよくあります。
そうすると、やり方や技法を教えても、すぐに使えなくなるわけです。

そうすると、その場その場で最適なやり方を考え出す人、独創性のある人が求められることになります。
しかしそのような人は、自分勝手な方向に走り、組織に迷惑をかけることも見られます。
独創性・自主性と組織性を両立するためには、基本的な考え方や原則を明確にし、それを身につけていることが大切になってきます。


この三階層構造を、私自身に当てはめてみると、

対話・システム思考・意識論・瞑想   やり方・技法・手法
ソリューションフォーカス・MBTI・経営品質   考え方・方針・原則
慈悲・菩提心・三密   あり方・姿勢・態度

みたいな感じです。
これ以外にもいろいろありますが、代表的なものをあげてみました。

あり方の言葉は、仏教・密教のものです。そうあるべく修行中の身です。
MBTI は、ユングの心理タイプ論をベースにしています。
ユングの考えた、人の心の多様性と心の成長という観点が、私の考え方の基本になっています。

やり方、手法は、ほんの一部です。当然、他にもいろいろあります。

このような形で、自分のあり方を整理してみるのも、自身の理解につながり効果的ではないかと思います。

コーチングとメンタルヘルスを同時に実現する方法

今企業では、コーチングメンタルヘルスも重要な課題となっています。

有能な社員を早期に育成するためにコーチングを導入し、うつ、出社拒否、早期退職など、人事面の問題に対処するために、メンタルヘルスの導入をしています。

コーチングメンタルヘルスは、目的も違えば担当部署も異なるというのが一般的な企業でしょう。

しかしコミュニケーションの観点から見れば、コーチングメンタルヘルスも同質の現象と見ることができます。
社員のモチベーションやパフォーマンスという観点からみても、コーチングとメンタルヘルスを完全に切り分けてしまうのは、得策とは思われません。

また、メンタルヘルスを社内だけで行うことは大企業でも難しく、外部組織のEAP(従業員支援プログラム)を使うことが一般的です。
しかし、中小企業にとっては、社内にメンタルヘルスの専門組織を設けることも、外部のEAPと契約することも困難なのが実情でしょう。

メンタルヘルスは、問題が発生してから対処するより、問題の発生を未然に防ぐ方が圧倒的に簡単です。
ブリーフ・セラピーの手法を使ったコーチングなら、様々な職場の問題や人間関係に悩んでいる人をサポートしながら、ハイパフォーマンスな社員を育てるということが可能になります。

なぜならセラピーの考え方や手法は、そのままメンタルヘルスになりますし、ソリューション(目標とする状態)を構築するというソリューション・フォーカスの取り組みは、そのまま成果実現につながるからです。

チームやグループなど、組織のパフォーマンスは、組織内のコミュニケーションによって大きく左右されます。
コーチングメンタルヘルスを統合的に扱うことで、組織全体のパフォーマンスを向上させることが可能となります。

教育改革:いじめ、登校拒否、自殺... どう対応する?

いじめや、それに伴う登校拒否や自殺など、教育の現場は相変わらず大変です。

文部科学省や教育委員会など、教育システムの組織的な改革が、少しずつ始まっています。
そのような組織的な変革も大切ですが、同時に、今この瞬間、教育の現場でどう対応するのか、非常に切羽詰った大きな問題です。

いじめや登校拒否などの問題が発生する現場では、コミュニケーションが充分取られていないことが考えられます。
生徒同士、生徒と教師、親子、親と教師など、それぞれにコミュニケーションが必要です。
しかし適切なコミュニケーションの取り方を知らないと、どうしたら良いか分からず、気持ちばかりあせって、コミュニケーションが空回りします。

そのような中、ソリューション・フォーカスを使ったコミュニケーションは、今教育の世界で非常に注目を集めています。
そもそもソリューション・フォーカス(解決志向)を生み出した ブリーフ・セラピー(短期療法)は、登校拒否などの問題が圧倒的短期間で解決することで有名になったセラピーです。

つまり、教育問題には当初から関係の深いコミュニケーションと言えるでしょう。

私がソリューション・フォーカス・アプローチを学んだ森先生の講座などでは、全国から学校の先生が集まってきます。
そこには、生徒と、あるいは生徒の親と、もっと良いコミュニケーションを取りたいという
想いが強く感じられます。

学校でも家庭でも、教育に悩んでいる方は、ぜひソリューション・フォーカスを使った
コミュニケーションを試していただきたいと願っています。

企業のコーチング研修が、現場で使えないのはなぜ?

企業内でのコーチング研修を、自分でもやりますし、他人がやるのを見たりしますが、研修でやったことが、現場で使えないという人をよく見ます。

コーチング研修といっても、千差万別で内容はそれぞれ全然違うと思うのですが、現場で使えない理由を考えてみました。

その理由のひとつに、現場ではコーチングが使える関係が出来ていないことがあげられます。

コーチング研修では、傾聴、質問、褒める、フィードバック、などの練習をよく行います。
いきなり上手く出来るものではないのですが、それでも研修の場では、何とかコミュニケーションが成立しています。
それは、参加者の中に、ここがそういう場だという共通認識があるからです。

しかし、現場に戻るとそうはいきません。
現場の人達には、「私はあなたのコーチを受けます」という前提が存在しません。
場合によっては、「あんたには、とやかく言われたくない。ウザイから黙っててくれ」なんて思われていたりします。
そんな状況で、下手に褒めたり、質問したら、逆に反感をかいます。

そもそもコーチングというのは、自発的に何かをやろうとしている人を、心理的に支援するというのが始まりです。
ですから、自発性の低いところに、下手にコーチングを持っていくと逆効果にすらなりうるのです。

ブリーフ・セラピー(短期療法)から生まれた、ソリューション・フォーカス・アプローチは、このような状況においても有効であるといえます。

なぜなら、セラピーというのは、もともと自発性の低い人を対象にしているからです。
親が無理やり連れてきた登校拒否の子供や、ただ授業に出たくないから来ているだけの生徒、何かあったらセラピストを悪者にして、自分がやらないことを正当化しようとしているクライアントなどに対処することは、セラピーやカウンセリングでは当然のことなのです。

そして、そのようなクライアントでも、自分がやりたいこと、なりたいものに気づき、それを実現する方向に動き出すことを、ブリーフ・セラピーはサポートします。

ソリューション・フォーカス・アプローチは、そのような過酷な状況の中で見出された手法ですから、自発性やモチベーションの低い社員に対しても、充分に使うことが出来るわけです。

あなたは既に変化している

ソリューション・フォーカスを使ったコーチングと、
他のコーチングは何が違うのでしょうか?

通常、コーチングや自己啓発セミナーでは、
「変化を起こす」 「違いを創る」
ということが強調されます。

しかし ソリューション・フォーカス・コーチングでは、
「あなたは既に変化している」
という立場からコミュニケーションします。

「北斗の拳」の、ケンシロウに
「お前はすでに死んでいる」
というセリフがありますが、あんな感じでしょうか。


「変化を起こす」 「違いを創る」という言葉には、
「今のあなたは良くない」「変化しないあなたはダメだ」
というニュアンスがあります。

このことから、クライアントが余計なプレッシャーを感じたり、
変化できない自分に無力感を感じたりすることがあります。


ソリューション・フォーカス・コーチングでは、
「あなたは既に変化している」
という立場からコミュニケーションすることで、
クライアント自身が自分の能力や変化に気づき、
安全な変化を実現していきます。

SFA / ソリューション・フォーカス・アプローチ

1.ソリューション・フォーカス・アプローチ (解決志向とは)

 ソリューション・フォーカス(解決志向)は、セラピーやカウンセリング、コーチングなどで圧倒的な成果を出しているアプローチです。
 問題があるときに、問題を解決しようとするのが通常の姿ですが、ソリューション・フォーカス(解決志向)では、問題を解決しようとせず、解決(ソリューション)を直接構築します。
           【 問題解決 から 解決構築へ 】 
このパラダイムシフトが大きな成果を生み出しています。

2.ソリューション・フォーカス(解決志向)の背景

 ソリューション・フォーカスは、ブリーフセラピー(短期療法)と呼ばれるセラピー療法の中から生まれました。セラピーでは、登校拒否や出社拒否などの問題を抱えている人を扱います。セラピーも以前は問題解決が主流でした。そして多くの場合、長期的な関わりが必要になります。
 しかしソリューション・フォーカス(解決志向)の手法では、驚くべき短期間で解決する事例が続出しました。

あるデータでは、275ケースの面接で、面接回数の平均 2.9回
26%のクライアントが、1回の面接で終了 という結果を出しています。
                 「 参考文献  解決のための面接技法 」

3.ソリューション・フォーカス(解決志向)を推薦する理由

①シンプル: 
 ソリューション・フォーカスはシンプルです。複雑でややこしいものは、大概身に付きません。シンプルだから、短期間ですぐにコーチングを使えるようになります。
 コーチングを受けた人がその成果に感激し、自分も社内でやろうとされます。とても素晴らしいことなのですが、多くの人がうまく出来ないでいます。プロコーチとして長時間の研修を受けた人と同じように出来なくても、それは当然です。
 しかしソリューション・フォーカスはシンプルなので、短期間でそれなりの成果が出せるようになります。

②奥が深い
 ソリューション・フォーカスはシンプルですが、単純な小手先のテクニックではありません。セラピーという非常にシリアスな場面で磨かれた、深い人間性に根ざしたアプローチです。

③どこでも使える
 ソリューション・フォーカスは、日常の会話の中でも簡単に使うことができます。コーチング面談という、特定の場面だけで使えるものとは違います。
 さらに、セラピー、カウンセリング、コーチング、ファシリテーションなど、様々な場面でも使うことができます。

④安全
 セラピーという大きな問題に対処することから生まれた手法ですから、安全性には高い注意を払っています。
 人を傷つけるようなコーチング、人を不愉快にさせるコーチングを眼にすることが、よくあります。ソリューション・フォーカスは心の安全を第一に考えています。

4.ソリューション・フォーカス(解決志向) 3つの原則

 基本の原則(方針)は3つ。これを実行するだけです。

<ルール1> 壊れていないなら、修復するな。
<ルール2> もし一度やってうまくいったなら、またそれをせよ。
<ルール3> もしうまくいっていないのであれば、違うことをせよ。

5.ソリューション・フォーカス(解決志向)の基本

 ソリューション・フォーカス・アプローチの基本は、ソリューショントークを展開することです。ソリューショントークとは、問題に焦点を当てず、解決(ソリューション)に焦点を当てた会話を展開することです。

 ここで一つだけ考え方の変化(パラダイムシフト)が必要です。

通常   :  問題を無くすためには、問題を解決しなければならない。
解決志向:  問題は扱わなくても、解決を実現することはできる。

 この立場からの会話(ソリューショントーク)を展開すれば、それは正に
解決志向(ソリューション・フォーカス)アプローチです。

6.ソリューション・フォーカス(解決志向)のコーチング

 決まりきった手順を持たないのが、ソリューション・フォーカス・コーチングですが、
大体、次のような内容で行います。

1.クライアント-コーチ関係のアセスメント(査定)
2.ソリューションとゴールイメージの話し合い
3.解決(ソリューション)に向けての有効な質問
4.介入 (コンプリメント、課題、フィードバック)
5.ゴールメンテナンス(EARS)

コミュニケーション心理学とは

コミュニケーション心理学では、グレゴリー・ベイトソンに始まるコミュニケーション語用論を基礎として発展してきた、一連の心理学や心理療法を中心に扱います。

グレゴリー・ベイトソンは、サイバネティクスやシステムズ・アプローチなどの考えを、心理療法のなかに取り入れていきます。
システムズ・アプローチは、家族療法のなかで発展し、ブリーフセラピー(短期療法)と呼ばれるようになります。

ブリーフセラピーの仲間には、MRI、SFA(ソリューション・フォーカス・アプローチ)、NLP、ナラティブセラピー、可能性療法など、多くの種類があります。

これらの療法はセラピーとして発展してきたのですが、現在では、コーチング、プレゼンテーション、ファシリテーション、家庭の会話、職場のコミュニケーション、セールストーク、マーケティングなど、さまざまな領域で活用されいます。

ここでは、そのようなコミュニケーション心理学に関連するさまざまな活用を扱っていきます。

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