第3章思想編 真言密教の思想 4
象徴
曼荼羅は、形のない心を象徴を使って表したものですが、このような象徴の利用は、密教の大きな特徴になっています。
仏教では元々仏像は作成されなかったのですが、大乗仏教や仏教美術の発展とともに、多数の仏像が作成されるようになりました。これもひとつの象徴です。
密教では、三鈷杵(さんこしょ)五鈷杵(ごこしょ)などの金剛杵や金剛鈴(こんごうれい)など多くの法具が使用されます。ブッダは火を焚くような修法は行ないませんでしたが、密教では護摩において火も使います。これらもすべて密教の法を現す象徴であり、それぞれに法として意味するところがあるのです。
このように密教では、教えを文章にして経という形で伝えるだけでなく、さまざまな象徴を使って法を伝えるという手法を使います。密教の「密」なるところ、文字や言葉で伝えられないことを、象徴を利用し、五感のすべてを使って感得するのです。
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