第4章 技法編 ブリーフセラピーの技法 8
第4章 技法編
2.ブリーフセラピーの技法 - 密教の観点から
3.ソリューショントーク(解決に関する会話)
ソリューショントークの例
ソリューショントークでは、ソリューションに焦点を当てることが大切であり、
未来のイメージやゴール、すでにあるリソース、例外などを問いかけていきます。
しかし問いかける内容は、目の前の人(クライアント)に寄りそっている必要が
あります。クライアントの想いを無視してソリューションを持ち出しても解決は
構築できません。
【会話例】 例外の発見。
クライアント:いつも幻覚に悩まされているんですよ。
カウンセラー:幻覚が出ていない時のことを教えていただけますか?
クライアント:朝、布団のなかでグズグズしていて、すぐに起きられないの。
カウンセラー:子供が入試の日は、なぜ早く起きられたのですか?
【会話例】 リソースの発見とコンプリメント(承認・称賛)。
クライアント:今日、本当はあんまりここに来たくなかったのですけどね。
カウンセラー:そんなお気持ちのなか、わざわざお越しいただいて
ありがとうございます。
クライアント:彼のダメなところは、すぐに20はあげることができるよ。
カウンセラー:あなたのその鋭い観察力は、どこから来るのでしょう?
クライアント:私は愚かだ。自分のことを何も分かっていない。
カウンセラー:そのように自分のことを見つめる勇気を、あなたはどのようにして
身につけたのですか?
【会話例】 ゴールの明確化、具体化。差異(ちがい)が分かると変化が起こる。
クライアント:どうしたらいいのか、私には分かりません。
カウンセラー:このセッションが終わったとき、今と何が違っていたら、
ここに相談に来た意味があると思いますか?
クライアント:これからは心を入れ替えて、まじめに働きます。
カウンセラー:そのために、まず何をしますか?
クライアント:目標は、チームのコミュニケーションを良くすることです。
カウンセラー:チームのコミュニケーションが良くなると、今と何が変わりますか?
【会話例】 リソースの活用、応用。問題を否定せず、活かす方法を見つける。
クライアント:勉強しないで、ゲームばっかりしているんですよ。
カウンセラー:勉強に役立つゲームをやってみましょうか。
【会話例】 問題を問題としない。ダブルバインド的な会話。
クライアント:緊張してプレゼンテーションがうまくできないのです。
カウンセラー:では緊張したまま話すことにしましょう。まず緊張の練習をしてください。
【会話例】 他人の視点を入れると、関係を見直すことができる。
クライアント:もう無理だ。あきらめよう。
カウンセラー:あなたの尊敬する空海がここにいたら、彼は何と言うと思いますか?
【会話例】 何も変わらないとき、そこにリソースがある。
クライアント:ぜんぜん痩せないですよ。
カウンセラー:それ以上太らないで体重をキープできているのは、どうしてですか?
【会話例】 生きているということは、リソースにあふれていること。
クライアント:もうダメです。何もやる気がしません。
カウンセラー:そのような辛い状況のなかで、今までやってこられたのですね。
その力はどこから来るのですか?
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