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第4章 技法編 ブリーフセラピーの技法  6

2.ブリーフセラピーの技法 - 密教の観点から
  3.ソリューショントーク(解決に関する会話)

例外の発見
 例外の発見は、ソリューショントークの中で使用される技法のひとつです。
例外とは、問題の中に有って既に解決していることを意味します。

 「子供とコミュニケーションが取れない」という問題を抱えている時に、「子供とコミュニケーションが取れる時もある」ことや「子供とコミュニケーションが取れる分野もある」ということを発見すれば、そこから解決への道を開くことができます。仕事で成果が挙がらないときには、少しでも成果が挙がった時、少しは成果が出ているところなどを探し、その上手くできているところを増やしていくようにします。

 人にはさまざまなリソースがあります。「勉強ができない」という問題を抱えている子供に、「人に優しくできる」という別のリソースを発見することは意味のあることです。
 しかし例外の発見では、問題の外にリソースを探すのではなく、問題(と思っていること)の内にリソースを発見します。「勉強できない」という問題に対して「少しは勉強のできるところ」や「少しはましな科目」などを探すことによって、解決している領域を見つけ、それを拡大させていきます。

 このように、問題があると考えているものの中に、問題ではない部分が存在することを発見していくのが「例外の発見」です。その発見は最初は些細なものかもしれませんが、その小さな発見を膨らませ育てていくことで、大きな変化へとつながっていくのです。

 心理面への影響では、出口が見えず途方にくれている人には一筋の光明となり、自信を無くし落ち込んでいる人には自尊心や自己肯定感を強めることとなります。

 例外の発見は、「問題を抱えた人」という見方から、「既に(少なくとも一部は)問題を解決している人」という見方へのリフレームでもあります。このリフレームにより、クライアントは、自分自身にゴール実現へのリソースがあり、自ら解決する力があることに気づくのです。

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