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第4章 技法編 ブリーフセラピーの技法  2

第4章 技法編
2.ブリーフセラピーの技法 - 密教の観点から
  1.システムズ・アプローチ

<コラム>

家族内のルール(コンテキスト)の発見
 家族内にはその家族なりのルール(役割やパターンなど)がありますが、多くの場合そのルールは自覚されていません。

 例えば、子供に対して母親が厳しく指導すると、子供が反抗し、父親がなだめに入ると、夫婦で言い合いになる。夫婦が言い合いになると、子供が暴れ、子供が暴れると、母親が叱る。母親が叱ると子供が反抗し、父親がなだめに入る...(と繰り返される) などという風に、ある種の役割やパターンが存在するものなのです。

 しかし、問題のなかにいてその解決への道が見えない人には、それが分かりません。このような無形のルールは、お互いにどのようなコミュニケーションを取っているのかを見ることで、明確になってきます。
 コミュニケーションは、口に出した言語だけでなく、非言語が重要になります。 部屋のなかの位置、視線、態度、話しかける人、話かけられる人、距離を取ろうとする人など、言語化する以前にコミュニケーションのパターンは、ある程度構築されています。
 これらのルールのなかから、問題の発生に関与しているものを発見し、それを変更することが、システムズ・アプローチの基本となります。 

 先ほどの家族の例であれば、父親の介入をストップする、父親が厳しく指導し母親がなだめに入る、などいくつかのパターンの変更が可能です。
 パターンを変えること自体が直接問題解決に結びつく場合もありますし、パターンを見つけようとすることが、問題を発生させているルールに眼を向けさせ、自然とルールが変更されていく場合もあります。 

 ここでいうルールは、いわばパターン化しているコンテキストです。問題があるときに、人はその問題に眼を奪われがちですが、その背後にあるコンテキストを見ることで、問題に振り回されることが少なくなっていきます。

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